薄汚れているが、憧れの黒猫。
そう、私は家猫以外の子達にも愛情を注いでいる。
いつもバッグにしのばせている
チーカマやささ身の燻製をあげようと、
その日も私はタバコ屋さんの自販機近くで
待機していた。
いらっしゃいました。
ハイハイ、あげますからガッツかないで。
あなた達は贅沢ですねー、などと言いながら
思わず顔がゆるむ。
近所でうわさの猫オバサンとは私のことだろうか。
そこにボロボロの服をきたおじちゃんがきた。
高架下をネジロにしているお方だった。
あまりにも日焼けしすぎていて
白目が異常に目立つ。
その視線は宙を泳いでいる。
すると彼は、ジュースの自販機横の
ゴミ箱から人が捨てたペットボトルを取り出し、
残った液体をゴクゴクのみ始めた。
猫達におやつをあげる私の手が止まった。
片や一文無しでゴミをあさる人間。
片や100円以上のものをいただく野良猫−。
おじちゃんは、このおやつさえ食べれない。
彼は私達を一瞥し、
その場を立ち去った。
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